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朝日俳壇
高校二年の時、倫理社会の科目で与えられたテーマが「政治と宗教について」であった。どのようなレポートを書いたかはすっかり忘れてしまったが、このテーマだけは鮮明に覚えている。倫理社会担当教諭が「にお村先生」だった。片足を悪くされたためいつも杖歩行をされていた。山岳部の顧問をされておられ、戦後に「全校登山」を復活させた先生としても高校OBの間では有名であった。
医者になって田舎の県立中央病院へ赴任した時、偶然にも先生が心筋梗塞で入院してこられ主治医になった。卒業以来久しぶりにお会いした先生に、政治と宗教のテーマを与えられたことを話したが、当然ながら先生は20年近くも前のことは忘れておられた。
その「にお村先生」の別の顔が俳人「にお村楓石」である。毎週月曜になると朝食をとりながら、朝日新聞朝刊を見て、「にお村楓石」という名を探すのが習慣である。
「一巻の雪嶺絵巻大玻璃戸 」
「退屈な午後が来にけり春の風邪 」
「春潮に思ひ思ひの沖がかり 」
先生は米寿を迎えられたが、俳壇にお名前を見つけるたびに「あぁ、まだまだお元気なんだなぁ」とホッとする最近である。
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